散骨とは、火葬した後の遺骨を粉末状にし、海・山・空等に遺骨を撒く葬送方法です。
お墓の後継者がいない・家族に負担をかけたくないなどという方が利用することが多く、自然に還りたいという理由で散骨を希望される方も増えています。
近年では海や山など自然への散骨だけではなく、お寺で散骨ができるケースもあり、メリット・デメリットがそれぞれ異なります。
この記事では、海洋散骨とお寺での散骨に関するメリット・デメリットを比較しますので、ぜひ参考にしてください。
海洋散骨とは、粉末化した遺骨を海へ散布する方法です。
どんなメリット・デメリットがあるのかをご紹介しましょう。
海洋散骨のメリットは、一般墓より費用がかからないことです。
一般墓の費用相場はおよそ150万円、対して海洋散骨の費用相場は10万円ほど。
海洋散骨にも種類があるため、費用には差が生じますが、一般墓よりも費用がかからないことは大きなメリットです。
一般墓の場合は、墓地を運営する寺院や霊園に倒産の可能性があります。
しかし海洋散骨の場合、相手は自然ですので、倒産して無縁墓になるという心配は皆無です。
海洋散骨は海へ遺骨を散布するため、一般墓のように墓石がありません。
一般的な『お墓参り』という概念とは異なる供養の方法のため、お墓参りに行くということはできなくなります。
古くからある供養の習慣とは異なる方法のため、お墓参りに行けない・遺骨を粉骨するなど散骨に対する抵抗感を持つ人はいらっしゃいます。
散骨をすることに対して親族からの理解が得られないというデメリットがあることは事実です。
散骨の種類には、お寺へ散骨をするという方法もあります。
海洋散骨など、自然への散骨と異なるメリット・デメリットを見ていきましょう。
お寺への散骨における最大のメリットは、お参りに行けることです。
お墓への散骨の場合、墓標となるシンボルや故人のプレートなどがあれば、『ここに眠っている』という証になるため、献花や焼香などのお参りが可能になります。
お寺での散骨は、合同墓・樹木葬など複数の方法から選択することができます。
散骨を扱うお寺も増えてきているため、故人や遺族の希望に合わせたプランなどが探しやすいでしょう。
さまざまな選択肢を比較することができるのは大きなメリットといえます。
お寺での散骨の場合、方法によっては他の遺骨と一緒になることがあります。
合同墓などの場合は、他の遺骨と一緒に供養を行うことが多いため、どうしても抵抗があるという人にとっては、デメリットになるでしょう。
お寺での散骨は、若干ではあるものの管理料などが発生するケースもあります。
海洋散骨の場合は、自然に還す形となるので、管理料は発生しません。
一般墓よりは費用を抑えることができますが、海洋散骨と比較すると、管理料の負担がデメリットともいえます。
散骨には複数の種類があり、海洋散骨のように自然に還すものと、お寺で管理をするものに二分されます。
それぞれメリット・デメリットが異なるので、『散骨をしたいけどどんな方法が良いのか…』という方は、しっかりと違いを理解することが大切です。