妻の遺骨を散骨した際の心情が美しく詠まれています。ここでは、
「愛しい妻は珠になったのだろうか、花になったのだろうか、清い山・山陰に撒いたら消え散っていく」
といった意味のことが歌われており、妻の遺骨(遺灰)が美しい宝石(珠)や花に例えられ、山の自然の一部となっていくことへの寂しさとともに妻への愛が表現されています。自分の大切な妻の遺骨を山に散骨することへの作者の心情を考えさせられるとともに、散骨が身近な葬送方法であったことも推測させるものです。この歌の珠と花をとり珠花と名付けました。